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デイサービス送迎事故の原因と対策を解説。送迎とはどこまでなのか。その1
デイサービス送迎事故の原因と対策を解説。送迎とはどこまでなのか
自宅から日帰りで通うデイサービス。
そこで欠かせないのが送迎です。
しかし最近は、送迎中の交通事故のニュースも多く、亡くなられる方もいらっしゃいます。
そのため送迎を担当する職員や運転手の方は、常に不安や緊張の中にあることでしょう
ここではさまざまな事例をもとに、送迎事故の原因と対策を紹介します
デイサービス送迎事故の事例
交通事故
2019年、デイサービスから利用者さんを送り届けていた送迎車が対向車と正面衝突。
車いすに乗っていた利用者さんが亡くなりました。
同じ日に、別のデイサービス送迎車両が交差点で軽自動車と出合い頭に衝突して、車いすの利用者さんが亡くなる事故が起きています。
転倒事故
(1)送迎車乗降時
デイサービスの行き帰り、送迎車に乗り降りしようとした際の転倒事故もあります。
以下のような事例がありました。
- デイサービス送迎車から降りようとしたときに、利用者さんの体がふらついて転倒した
- 寒冷地にあるデイサービスで、冬場に送迎車両のステップに少し雪が残っていた
そのため利用者さんがすべって転倒しそうになった
(2)自宅到着時
無事に自宅に着いてからの事故もあります。
以下のような事例がありました。
- デイサービスから自宅に到着した後に、職員が介助して玄関まで向かったが、利用者さんが途中でふらついて転倒してしまった
- 職員が利用者さんを玄関まで誘導したところ、妻が「ここからは私が(介助します)」と申し出て自室まで移動を介助した。
しかし途中でふらついてしまい2人とも転倒。
利用者さんが骨折してしまった。
車内放置事故
平成22年、デイサービスに到着した送迎車の運転手の方が、利用者さんを1名降ろし忘れ、その方が亡くなったという事故がありました。
亡くなった原因は、夕方まで送迎車内に放置されたことによる熱中症です。
別のデイサービスでは、運転手さんが送迎車の最後尾に乗っていた利用者さんを降ろし忘れた事例もありました。
利用者さん自身が取り残されたことに気づき、クラクションを鳴らしました。
それで運転手さんがすぐ車に戻ったので、大事には至りませんでしたが、家族は自治体に苦情申し立てを行っています。
送迎事故の対策 転倒事故と車内放置事故
転倒事故対策
送迎車乗降時
送迎車に乗り降りするときには以下のような注意が必要です。
- 乗降口に踏み台を置いて、介助者が固定する
- 乗降時は利用者さんの杖をあずかり、確実に手すりをつかんでもらう
- 身体状況が不安定な利用者さんに対しては、複数のスタッフで介助する
- 冬は送迎車のステップについている雪や氷を完全に取って、滑らないようにする
自宅到着時
自宅についたときの注意点は以下のとおりです。
- 利用者さんだけではなく、家族の身体状況を確認し、必要であれば家族に代わって自宅内移動の介助も行う
- 可能なら複数のスタッフで介助を行う
車内放置対策
車内に利用者さんを放置しないための対策としては、以下のことがあげられます。
- 複数のスタッフで車内を確認する
- 到着時は、後部座席を含む全座席を確認する